前のように目がバラ色になったというのに、血を吸わずに部屋を出て行った律さん。
彼の行動を不思議に思ったけれど、血を吸われないんだったらその方がいい。
私は言われた通り深呼吸などをして目の色が黒に戻るように一人奮闘した。
***
「……うん、完全に戻ったよね?」
目の色なんてどうしたら戻るのかと思ったけれど、深呼吸を繰り返しているうちに落ち着いたのか徐々に黒に戻っていった。
完全に元の色に戻ると、コンコンとドアがノックされる。
「どうだ、落ち着いたか?」
「あ、はい」
ドアの前で待っていてくれたんだろうか。
返事をするとすぐにドアが開けられる。
目の色が元に戻った私を見てホッと一息ついた律さんは、静かに「すまなかった」と謝ってくる。
「潤が悪かった」
「いえ、律さんが謝ることじゃあ……」
「潤は俺に学園のトップらしくみんなを引っ張っていくくらいの気概を見せろと言ってよく突っかかってくるんだ。いつもの俺への反発のとばっちりを受けたんだ、謝らせてくれ」
「……はい」
断ろうとした謝罪だったけれど、そうまで言われてしまったら受取るしかない。
実際潤くんのあの行動は律さんへの当てつけみたいだったし。
彼の行動を不思議に思ったけれど、血を吸われないんだったらその方がいい。
私は言われた通り深呼吸などをして目の色が黒に戻るように一人奮闘した。
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「……うん、完全に戻ったよね?」
目の色なんてどうしたら戻るのかと思ったけれど、深呼吸を繰り返しているうちに落ち着いたのか徐々に黒に戻っていった。
完全に元の色に戻ると、コンコンとドアがノックされる。
「どうだ、落ち着いたか?」
「あ、はい」
ドアの前で待っていてくれたんだろうか。
返事をするとすぐにドアが開けられる。
目の色が元に戻った私を見てホッと一息ついた律さんは、静かに「すまなかった」と謝ってくる。
「潤が悪かった」
「いえ、律さんが謝ることじゃあ……」
「潤は俺に学園のトップらしくみんなを引っ張っていくくらいの気概を見せろと言ってよく突っかかってくるんだ。いつもの俺への反発のとばっちりを受けたんだ、謝らせてくれ」
「……はい」
断ろうとした謝罪だったけれど、そうまで言われてしまったら受取るしかない。
実際潤くんのあの行動は律さんへの当てつけみたいだったし。