しかし、ここで嫉妬深さをみせるわけにはいかない。ましてや口惜しがったりショックを受けたり、ということも。

 ここは、男らしく「受けて立とうではないか。おまえの挑戦状を受け取ってやる。正々堂々と戦おう」と男らしく振る舞うのだ。

 だからそうした。

 あかるくにこやか、フレンドリーに接したのである。

 居間にやって来てその様子を見たときのカヨの顔……。

 彼女は、ポーカーフェイスを保っていたもののかなり驚いたに違いない。

 そのあと、彼女とエドムンドとフェリペを交え、アルマンドの話をきいた。

 どうやら、彼とヘルマンはおれの母親に恩があるらしい。

 そのことや他のことでもアルマンドが話をしていたが、そんな話よりも彼がカヨに気があるということが気になって仕方がなかった。

 アルマンドの第一印象こそ悪かったが、打ち解けたあとの彼はすくなくともめちゃくちゃ嫌な奴、ではななくなっている。

 実際、カヨの彼を見る目も最初とは違っているようだ。