お礼はキスでもいいですか?〜怖がりで気弱な私は、優しくないフリをした君と恋に落ちる〜

「なんか楽しくなってきたから、無理。ほら、早くキスして?」

「絶対無理です・・・」

「涙目の割には、意外に頑固だよね。じゃあ、約束して。もう二度と危険な真似はしないって」

「え?」

「君は他の女の子を助けたつもりかもしれないけど、あれはただの自己犠牲。あの子の代わりを君が名乗り出ただけ」

「でも、助けないとって思って・・・」

「もし、これからもあんな場面に遭遇したら助けるって言うんなら、俺に連絡して」

そう言ってその男の人は私の手を離し、紙を取り出して電話番号を書き私に押し付けた。