3回深く深呼吸をしてから、私は走り出した。

女の子の前に守るように手を広げた。

「あ、あの・・・!」

「誰、お前。お前に用ないんだけど」

「いや、あの・・・この女の子、困ってるように見えて・・・」

私は、こそっとその女の子に「逃げていいよ」と呟いた。

その子は少し戸惑った後、私にお辞儀をしてパタパタと走っていく。