一週間後。

私が家の手伝いで和菓子を作っていると、売り場から声がした。

お母さんが厨房に小走りでやって来る。

「冬奈、塩見さんが来てくださったわよ。接客して頂戴」

「え!」

私は急いで売り場に飛び出した。

「久しぶりに冬奈の和菓子が食べたくて来てしまったけど、大丈夫だったかな?」

「大丈夫です。でも、成紀さんこそお忙しいのでは・・・」