塩見さんは一切顔色を変えずにそう言った。

全然話したことがないのに、私のことを好きとは思えない。

でも、何故か甘い言葉をいつも投げかけてくる。

「冬奈は疲れてない?実家を手伝っているんだろう?」

「和菓子作りは好きなので、大丈夫です」

そう答えると、塩見さんの顔が険しくなった。

「どうしたんですか?」

「いつも冬奈は甘えてくれない」