「っ!」

「でも、今日はここまでにしておくよ。冬奈の可愛い顔が見られたからね」

成紀さんは私の頭をポンポンと叩き、車に乗った。


本当はずっと悩んでいた。

愛のない結婚なんてどちらにとっても良くないし、婚約破棄したほうがいいんじゃないかって。

でも、本当は婚約破棄したくない。

それに、成紀さんのことを信じたい。

勇気を出して、自分。