「あの・・・塩見《しおみ》さん。婚約破棄していいんですよ?」 「絶対しないよ」 「えっと、今日はお仕事だったんですよね?疲れてませんか?」 「今、疲れが取れた。冬奈《ふゆな》と話したから」 祖父同士が勝手に決めた愛のない婚約のはずなのに、何故かいつも婚約者は甘い言葉をかけてくる。 この甘い言葉は私は信じてもいいんですか?