「ぁ……っ、ぎゃああああああああああああっ!」





悲鳴が響き渡る、夜の街。

ドガっ、ゴシャァ、といびつな音のする通り。



そこの近くで———そこの夜の街で、ある暴走族は乱闘を繰り広げていた。





「ぎゃあああっ!」


「ごがっ……」


「うらぁぁああ!」





はじめは武器を持たずだったが、さらに戦いが激しくなるとナイフなどの刃物を持ち出し始めた。

ガキン、ガガッ……と刃物のぶつかり合う音がする。


騒々しく、野蛮な音の中で、しゃらん、と透き通るような音が響いた。


戦っていた男たちは、一瞬、動きを止める。





「———♪ ———♪」




これでも一応、住宅街だ。周りに屋根がたくさんある。その中で、ひときわ高い塔の頂上で、ある人物が立っていた。