訓練ルームは混んでいて、予約もしていない私たちは空くのを待つしかなかった。
「もう! ただ待ってるなんて出来ない! ちょっと交渉してくる!」
ずっと勢いが落ちない吉岡さんはそう宣言すると、訓練ルームの一つに向かって行く。
周りを見ずに自分の考えを真っ直ぐ突き進んでいくこの感じ。
こういうところが小学校の頃の友達に似ていて、苦手だなって思っちゃったんだ。
まあ、吉岡さんの方が突き進んで行く勢いが凄いけど。
なんだっけ、こういう人のことを表す四字熟語があったような……。
「猪突猛進だな……」
立会人として一緒に来てくれていた雄翔くんが答えをポツリと呟いた。
そして心配そうに私に目を向けてくれる。
「大丈夫か? なんか勢いのままここまで来ちゃったけど……どうしても嫌なら吉岡に止めろって言うけど」
「ううん、大丈夫だよ。困ってはいるけど、今吉岡さんを止めたらもっと面倒なことになりそうだし」
『どうして止めるの⁉』とか、『やっぱり歌えないんでしょう⁉』とか騒ぎ出しそう。
雄翔くんもそれが分かってたんだろうな。
「それは……まあ、そうだな」
って、納得の言葉を口にした。
「……ねえ、流歌?」
私と雄翔くんの会話が終わるのを見計らったように、同じくついて来てくれた千絵ちゃんが声を掛けてくる。
「もう! ただ待ってるなんて出来ない! ちょっと交渉してくる!」
ずっと勢いが落ちない吉岡さんはそう宣言すると、訓練ルームの一つに向かって行く。
周りを見ずに自分の考えを真っ直ぐ突き進んでいくこの感じ。
こういうところが小学校の頃の友達に似ていて、苦手だなって思っちゃったんだ。
まあ、吉岡さんの方が突き進んで行く勢いが凄いけど。
なんだっけ、こういう人のことを表す四字熟語があったような……。
「猪突猛進だな……」
立会人として一緒に来てくれていた雄翔くんが答えをポツリと呟いた。
そして心配そうに私に目を向けてくれる。
「大丈夫か? なんか勢いのままここまで来ちゃったけど……どうしても嫌なら吉岡に止めろって言うけど」
「ううん、大丈夫だよ。困ってはいるけど、今吉岡さんを止めたらもっと面倒なことになりそうだし」
『どうして止めるの⁉』とか、『やっぱり歌えないんでしょう⁉』とか騒ぎ出しそう。
雄翔くんもそれが分かってたんだろうな。
「それは……まあ、そうだな」
って、納得の言葉を口にした。
「……ねえ、流歌?」
私と雄翔くんの会話が終わるのを見計らったように、同じくついて来てくれた千絵ちゃんが声を掛けてくる。