でも、雄翔くんも言ってくれたんだもん。
 私だけ言わないなんて卑怯だよね。

「……私にとって雄翔くんは最推しで……でも一緒に過ごすうちにどんどん大切になっていって……今は、ファンとか推しとか以上に、特別な男の子だよっ」

 恥ずかしくて、最後は早口で言い切る。
 私の言葉に雄翔くんがどんな反応をするのか怖くて顔が見れない。

「……」

 でも、何も言ってくれないからチラッとだけ見てみてちょっと驚いた。
 雄翔くんは、口元を手のひらで覆って耳も顔も真っ赤にしていたから。

「……やば、嬉しっ」

 小さなつぶやきだけれど、その声はハッキリ私に届く。
 私の答えを喜んでくれているってのが分かって、私も顔が熱くなったのが分かる。

 わっ……どうしよう、私も嬉しい……。


 様々な花が咲き乱れる東屋で、私たちも赤い花を咲かせていた。