「織江 花鈴《おりえ かりん》さん、俺と結婚してくれませんか?」


目的も分からない上に、私の大好きなお兄ちゃんの会社を合併した直後の申し出。

苛立ちすらあった。

でももしこの申し出を受け入れれば、お兄ちゃんを役員に戻せるだろうか。


ああ、自分ってこんなに最低だったのだ。

別の男の人のために、この人を利用するのだ。


でも決めたの。


御曹司様、私、別の人を好きなまま貴方の妻になります。