御曹司様、私、別の人を好きなまま貴方の妻になります

玲二さんが連れてきてくれたのは、大きなガラス美術館だった。

「綺麗」

「花鈴が好きそうだと思って。喜んでもらえて良かった」

ガラス美術館をしばらく回った後、近くのベンチに座った。

「ねぇ花鈴。そろそろ花鈴の目的を教えて?」

「え?」

「花鈴は三日月くんが好きでしょ?なんで俺の結婚を受け入れたの?」

正直に話すべきだろうか?

でも、玲二さんの真っ直ぐな目に嘘をついても見抜かれる気がした。