土曜日。

私は手持ちの服の中で、一番お気に入りのワンピースを着てリビングに出た。

「じゃあ、出かけようか」

そう言って玲二さんが玄関に向かう。

「あ、今日の花鈴はいつもよりさらに可愛いから手を繋いでもいい?変な虫がつかないように」

玲二さんが差し出した手に優しく自分の手を重ねる。


「花鈴、そのワンピースも髪型もよく似合ってるよ」

「他の男に見せたくないくらいだ」


そう言った玲二さんはまるで王子様みたいだった。