私も急いで朝ごはんを食べて、自分の職場に向かう。

実家の手伝いと言っても、一応ちゃんと社員として雇ってもらっている。

社長の娘として贔屓されてるとか色々言われることもあるが、昔から自分の実家を支えるのが夢だったので苦ではなかった。


「でも、久しぶりにお兄ちゃんに会いたいなぁ」


ピコン。

そう呟いた時、携帯の通知音が鳴った。

お兄ちゃんからだった。

「花鈴、今日のお昼休み一緒にランチでもどう?」

嬉しくて舞い上がりそうになる。

「もちろん行く!」

午前中の仕事は今までで一番捗《はかど》ったように感じた。