「俺の前では駄目な子でいいよ」


岳が私の頭をポンポンと叩いた。


「結芽は頑張り過ぎだよ」


そんな甘い言葉に私の弱りきった涙腺は限界だった。

私が泣きそうになっているのを見て、岳は玄関の中まで入り、ドアを閉めた。


「勝手に入ってごめんね。でも、泣き顔他の人に見られたくないかと思って」


「ありがとう・・・」


私が泣いている間、岳がずっと頭を撫でていてくれる。