「千幸は何色が好き?もしよければうちで用意——いや、なんでもない」

「?」


用意……?


「ごめん、ちょっと頭が混乱した。千幸と一緒にいて、ドキドキしてるからかもしれない」

「なっ……!!」


相変わらずの忍くんと、大して久しぶりじゃないのに、とても久しぶりな感覚を味わいながら、学校へと歩いて行った。




少しして、授業が始まる。


ノートに文字を書き進めると……。

パキッと音して、シャーペンの芯が折れてしまった。


カチカチふたの部分を押すも、芯が出てこない。

やっと出てきた芯は、とても短くてノートの上に放り出されてしまった。


筆箱の中を漁るも、芯のストックももう切れてる。


あー……新しいの買ってもらうの、忘れてた……。

別のシャーペンは使いにくいし同様に芯がもうない。


どうしようかと考えていると……。


右肩をトントンと叩かれる。