しばらく長くて広い廊下を抜けて、着いた胡桃ちゃんの部屋。


「うわぁ……!すごい!」


まるで、お姫様の住むお城の中のようだった。


「ふふ、そんなことないよ!今日は人気のマカロン取り寄せてるから、あとで一緒に食べよう?」

「え!いいの!?もちろん……!!あ、これは私からのおみあげ……!つまらないものだけれど……」

「和菓子ね!私大好きなの、ありがとう」

「よかった……!!」


一安心だ。

お母さんが、少しお高めのいい和菓子を買ってきてくれて……よかった。


ふっと一息つくと、「こちらに座って」と胡桃ちゃんに言われる。


ふわっと薔薇の香りがするいい匂いのお部屋で、席に座ると紅茶を出してもらった。


「お気に入りの紅茶なの。お口に合ったら飲んで」

「うん……!ありがとう……!!」


ふわふわ〜と湯気が見える紅茶。

透き通った美しい色をしていて、口に近づけゆっくりと飲み込む。


「ん……!とっても美味しい……!」