ヒヤッとした。

足が震え出して、怖くてたまらない。

小さい頃からお嬢様として、身代金目当てに私のことを攫おうとする人はたくさんいた。


じいやや他の使用人たちが守ってくれていたから、最悪のことにはならなかったけれど、今は忍くん以外誰もいない。


「大人しくしててくれよ」


腕を掴まれそうになった時だった。

バンッと音がして……私に向けられた手は、見えなくなった。


怖くて瞑ってしまった目をゆっくりと開けると……。


「お嬢様へのご無礼、覚悟しろよ」


そう言った忍くんが……3人の怪しい人に、立ち向かって行ったのだった。


絶対に叶わない……!!そう思って、私は急いでじいやにメッセージを送る。