そう決めて、楽しみにしながら今日の授業を頑張って受けたのだった。



放課後。


「椎名さん」


席が斜め後ろの忍くん。声をかけられて、ウキウキしながら振り向いた。


「忍くん……!」

「帰ろっか」

「うん!」


あ〜!楽しみ!どんなお話しようかな?

忍くんの好きなものとか、聞けるかなぁ?


一緒に歩き出して、教室を出て。

廊下を少し歩いて行くと階段が見える。


階段は、転んじゃう可能性がとても高いから……ちゃんと、手すりに捕まって降りる。

忍くんは私の少し前を歩いていた。


そして……ドキドキしながら歩いていると。


「きゃっ……!?」


たまたま落ちていたプリントに気づかず、足を滑らせてしまった。

スローモーションで、ゆっくりと落下して行く。

地面が近づいてきて、ぎゅっと目を瞑った。


でも……痛みはしなくて。