「千幸、そこわからないの?」


隣から声をかけられる。大好きな人に。


「あ、えっと……うん」

「教えてあげようか?」

「いいの?!」

「うん、約束したでしょ?」

「えへへ、ありがとう!」

「っ、うん」


あれ……?忍くん少しだけ照れてる?

なんだか嬉しいな、だってドキドキさせられたってことだもんね!


「じゃあ、この問題はね、この公式を使って解くといいよ」


「こういう風に」といいながらスラスラプリントに式を書いていく忍くん。


す、すごい……!字がめちゃくちゃ綺麗……!それに何より、先生の説明よりわかりやすい!


「わぁすごい!よくわかったよ!」

「それはよかった」

「うん!」


本当に忍くんはすごいなぁ……いつか、忍くんの隣に並んでも悪くない人になりたい。

何度も思ってしまう。