「美味しいものいっぱい用意してるから、遠慮なく食べてね」

「へっ?お、美味しいもの……?」


私、手当してもらえるだけじゃなかったの……!?


そ、そんな……!おみあげもなしに入れてもらう挙句に、おもてなしされるだなんて、ないよね……!?


ドクドクと心臓のなるスピードが速くなる。


「緊張しなくて大丈夫だよ、俺と弟しかいないから」

「そ、そっか……?」


ご両親はお仕事なのかな……?ってそこじゃないよね!


できるだけ速く帰らないと、お兄ちゃんにもじいやにも心配かけちゃうし……。


と、そんなことを考えていると玄関までつく。


またしても大きすぎる扉がゆっくり開いて、なんとそこにはたくさんの使用人さんたちが並んで頭を下げていた。


おかえりなさいませ、と声を合わせて忍くんに向かって言う。


ここでまた、どれだけ忍くんがすごいのか思い知らされているようだった。