「あはは、千幸、そんなに焦らなくていいよ、俺のこといつでも聞きていいからさ」

「う、うん……!ありがとう!」


なんだかレアな機会な気がして、色々考えてしまったけど……忍くんは、そんな優しいことを言ってくれた。


そして、車がどこかに到着する。


「え、こ、ここって……」

「ん?俺の家だよ」

「う、そ……」


外に見えたのは、お城と言っていいほどのお屋敷。

ただでさえ胡桃ちゃんの家がすごかったのに、その倍はありそうなくらいのものだ。


ポカンと口を開けてしまった。

口が閉じることなく、ボーッとしてしまう。


し、信じられない!


「千幸、もう一回失礼するね」

「へっ?」


ポカンとしていれば、忍くんにお姫様抱っこされる。

そのまま車を降りて、お屋敷の入り口へと歩き出してしまったのだった。