仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。

「よし、ここら辺までくればもう大丈夫そうだね」

「う、うん……」


辺りを見ても、綾人くんたちの姿は見えなかった。


「足大丈夫?ちょっと待っててね」

「うんっ……」


ゆっくり降ろされて、片足に力を入れながら立っていると……。


「坊っちゃん、お迎えに上がりました」


大きなリムジンが、すぐ側に停まっていた。


執事さんがそう言いながら、90度ぐらいに深く頭を下げている。


「千幸、もう一回失礼するね」

「へっ?」


またお姫様抱っこして、車の中の席に下された。


「あ、あのっ……えと……」

「大丈夫、安心して。手当しに行くだけだから」

「う、うん……」


手当しに行く……?まさか、忍くんのおうちに!?


ドクッドクッと緊張で心臓の音が大きくなる。