「そうだったんだな……ごめん、気づかなくて。小学生ぶりのヤツとかいてさ」

「いやいや!」


お兄ちゃんがお友達と楽しい時間を過ごせていたなら、私も嬉しい。


「足大丈夫?おんぶしようか?」

「ううん、大丈夫だよ」


我慢すれば全然歩ける。どうせもう帰るから、あとちょっとなら耐えられるかな。


「無理になったら言うんだぞ?そうだ、元々着てた可愛いドレスはどうした?」

「あ……!忘れてた!」


でも今度このドレスも返すって言ったし、その時に交換できればいいよね。


「また会った時でいいかなって」

「そうだな、じゃあ父さんと母さんを探しに行こうか」

「うん!」


その後、胡桃ちゃんともお別れをして、両親を見つけて、帰りの車に乗り込んだ。


時刻は9時前。


少し眠たくなって来て、車の窓にもたれながら外を眺めていた。