そして、お兄ちゃんを探している最中……黒瀬さんを見つけた。


私か、四条さんを見つめていた。


目が一瞬あったけれど、つい逸らしてしまった。どうしたらいいかわからなくて。


でも、どうしてだか気になってもう一度黒瀬さんの方を向くと、なんだか悲しそうな顔をしているように見えてしまった。



「……!!千幸!」


そして、どこからかお兄ちゃんの声がしてくる。


「あの人がお兄さん?」

「はい!」


四条さんにそう聞かれて、コクリと頷いた。


「そっか、よかった見つけられて」

「ありがとうございました、四条さん!」

「いやいや、こちらこそ楽しい時間だったよ」

「そんな……!嬉しいです、ドレス、いつお返ししたらいいでしょうか?」


最速でも明後日ぐらいになってしまいそうだけど……。