「あ、あなたはっ……!四条綾人様っ?」


四条、綾人……?

聞いたことがある、確か黒瀬財閥と同じぐらい、大きな会社の……息子さん?


「ねぇ、謝ってくれる?」

「は、はい!す、すみませんでした!!」


私に謝ったぶつかって来た人。四条さんと言う人にも謝って、どこかへ行ってしまった。


「えっと……キミ、大丈夫?」


私の方を向いて、手を差し伸べてくれた。


なんだか胸がきゅっと熱くなってしまった。

結構ショックなことされたから、余計に優しくそう言われて、泣きそうになってしまったのかもしれない。


「は、はい……ありがとう、ございます」


差し出された手を、握らせてもらった。

どうにか立ち上がって、片足に力を入れる。