この間助けてくれた、イケメンさんがいた。


確かに、綺麗な黒髪に顔立ち……身長も同じぐらいだ。

嘘じゃなくて、本当にこの間私のことを助けてくれた人……?


ついポカンとしてしまった。


信じられなかったからだ。


「黒瀬様〜!!」


ボーッとしていると、遠く離れたところからそんな声がしてきた。


黒瀬、様……?


「あれ?千幸ちゃん知らないの?黒瀬財閥の御曹司」


お兄ちゃんとの世間話が終わったのか、胡桃ちゃんが駆け寄ってくる。


「う、うん……」

「そりゃ好きな人と名前が一緒だったらびっくりだよね!」

「ええっ……!?」


た、確かに忍くんと苗字がおんなじでびっくりしたけど、そ、そんなにズバッと言われちゃうと……!!


「あの人、パーティーに来るだなんてとっても珍しいらしいよ」

「へぇ……」


普段、パーティーに来ないんだ。