「はい、私千幸ちゃんのお友達の日向胡桃と申します」


ドレスの裾を持ち上げて、頭を下げた胡桃ちゃん。

とても、お上品で……まるで、舞踏会に招待されたお姫様のようだった。


「ああ、君が噂の。千幸の兄の椎名幸人です」


さっきまでの態度とは変わって、お兄ちゃんも上品に胡桃ちゃんに挨拶をした。


やっぱり、私に特別過保護なところを除けば、結構優秀なお兄ちゃんだ。


「千幸がいつもお世話になってます」

「いえいえ、私の方こそお世話になっています」


あはははと会話する2人。

なんだか絵になるなぁなんて思っていると……。


パーティー会場が、ザワザワしだした。


「あれが噂の、御曹司か……」

「何あの人……!めちゃくちゃカッコいい……!!」


そんなことを言う周りの人たち。


私もみんなが見ている方を向くとそこには——