お兄ちゃんと何を食べようか、と喋っていると……。


「千幸ちゃんっ!」


後ろから自分の両肩にポンッと手を置かれる。

この声は……。


「胡桃ちゃん!」


後ろに振り向くと、そこには中学生とは思えないほどに大人っぽい胡桃ちゃんがいた。

前髪なしのロングヘア。


お姉さん味がとっても増してて、カッコいい女性という印象が強い。


ドレスは紺色一色、シンプルなのにここまで華やかに見えるのは、胡桃ちゃんがとても美人さんだからだろうか……。


「とっても綺麗!」


そう一言言うと、


「嬉しい!」


にっこり純粋に笑ってくれた。


「千幸ちゃんも、とっても似合ってるよ!」

「えへへ、ありがとう」


胡桃ちゃんに褒められるだなんて、とても光栄だなぁ。


「えっと、千幸のお友達かな?」


そう言ったのはお兄ちゃんだった。