入学式

 着替えが終わり、私は瀬口さんと一緒に入学式が行われる講堂へ向かった。
 瀬口さんとはペアなので一緒に行動し、名前が書いてある机を見つけると隣の席に座った。
「四宮さん。僕たちは、A組らしいです」
「本当ですね、教えてくださってありがとうございます」
 だが、会話は続くわけがなくそこで終わり。少し気まづい時間を過ごしていれば「……これより、入学式を始めます」というアナウンスが入った。


 入学式は滞りなく進み、各教室に担任の先生と一緒に向かう。
 教室に入れば自分の席に案内され、座るとそこにはプリントと四角い小さな箱が置いてありそれを手に取るとそこには小さなバッジが入っていた。よく見ると校章が刻印されていてその下に何かぶら下がっているがそれがなんなのかわからない。だけどとても可愛らしかった。
「可愛い……」
 思わずそんなことを呟いてしまう。すると、先生からこのバッジのことについての説明があった。
「この学校には、階級があります。あなたたちは今日入学してきたので初級のブロンズです。なのでバッジの下にあるところには何もついていません」
 櫻乃学園には五つの階級があるらしい。先生からの説明では、入学時は初級で『ブロンズ』、2級は『シルバー』、3級は『ゴールド』、4級は『プラチナ』、最上級である5級は『ダイヤモンド』とある。階級が上がるにつれこれに宝石がつくなのだとか……
 階級を上がっていくためには、定期的にある試験という名のお茶会やパーティーにて日頃学んでいることが身についているのかを学園長や先生方、来賓の方に披露した上でその評価がこの階級につながるということだ。


 バッジの説明の他、学生証が配布されたり明日以降の日程の説明をされ十五分でホームルームは終わった。
 この日はもう解散となり、部屋に戻ってもいいこととなった。