数拍の緊迫した沈黙。
そして、目の前で戦いが始まってしまった。
黒服の何人かは小さいけれどナイフのようなものも持ってる。
体格だって人数だって、全てにおいて田中くんたちの方が不利なのに。
それなのに田中くんともう一人の高校生は西園寺先輩をちゃんと守って黒服たちと戦っている。
凄い。
でも、怖い。
初めて見る戦いの様子が単純に怖い。
田中くんたちがケガをしてしまうんじゃないかと思って、怖い。
色んな怖さで足がすくんで、私は本当にその場から動けなくなった。
「このっ、ガキのくせに!」
怒りに任せて突っ込んでいった黒服が田中くんに向かって行く。
でもどういうことか、振り上げた彼の拳が途中でピタッと止まりその隙に田中くんが黒服を突き飛ばした。
突き飛ばされた黒服は突き飛ばされただけとは思えないほどポーンと飛んで、私の近くに落ちてくる。
「きゃっ!」
「え? 浜田、さん?」
思わず声を上げてしまって、戦いに集中していた田中くんが私に気付く。
でも、気付いたのは田中くんだけじゃなかったようで……。
「ちっ、見られたか。誰か人を呼ばれたら困る、捕まえておけ!」
黒服のリーダーらしき人がそう指示を出した。
そして、目の前で戦いが始まってしまった。
黒服の何人かは小さいけれどナイフのようなものも持ってる。
体格だって人数だって、全てにおいて田中くんたちの方が不利なのに。
それなのに田中くんともう一人の高校生は西園寺先輩をちゃんと守って黒服たちと戦っている。
凄い。
でも、怖い。
初めて見る戦いの様子が単純に怖い。
田中くんたちがケガをしてしまうんじゃないかと思って、怖い。
色んな怖さで足がすくんで、私は本当にその場から動けなくなった。
「このっ、ガキのくせに!」
怒りに任せて突っ込んでいった黒服が田中くんに向かって行く。
でもどういうことか、振り上げた彼の拳が途中でピタッと止まりその隙に田中くんが黒服を突き飛ばした。
突き飛ばされた黒服は突き飛ばされただけとは思えないほどポーンと飛んで、私の近くに落ちてくる。
「きゃっ!」
「え? 浜田、さん?」
思わず声を上げてしまって、戦いに集中していた田中くんが私に気付く。
でも、気付いたのは田中くんだけじゃなかったようで……。
「ちっ、見られたか。誰か人を呼ばれたら困る、捕まえておけ!」
黒服のリーダーらしき人がそう指示を出した。



