「……結局、今日もほとんど話せないで終わっちゃった」
一人、帰り道をトボトボ歩きながら呟く。
図書委員の仕事で少し遅くなって、他の学生と下校時間がズレてしまったため周りにはほとんど人がいない。
それがまた寂しい感じで、悲しさを倍増させていた。
こんな調子で明日こそ田中くんと話が出来るのかな?
「……出来ない気がする」
トホホ、としょんぼりしながらゆっくり歩いていると、いつも閑散としている川の辺りの路地に入る。
何気なしに角を曲がったら、見慣れない黒服の男の人たちの姿にビックリして足を止めた。
な、何?
黒服の男の人たちは沢山いて、何かを取り囲んでいるみたい。
関わっちゃダメだって瞬時に思って、とりあえず曲がる前の角に戻ろうとしたんだけれど……。
「西園寺先輩は俺たちが守ってるんだ。あんたらになんか連れ去られてたまるかよ!」
それは黒服に囲まれている中心から聞こえた。
聞き覚えのある声に、私は足を止めて声の発せられた方を見る。
田中、くん?
黒服の中心にはいつも見ている田中くんの姿。
他にももう一人近くの高校の制服を着た男の人と、西園寺先輩の姿が見えた。
え? 何? どういう状況?
分からなくて、でも田中くんがいる以上見て見ぬふりも出来なくて、そのまま立ち尽くしてしまう。
一人、帰り道をトボトボ歩きながら呟く。
図書委員の仕事で少し遅くなって、他の学生と下校時間がズレてしまったため周りにはほとんど人がいない。
それがまた寂しい感じで、悲しさを倍増させていた。
こんな調子で明日こそ田中くんと話が出来るのかな?
「……出来ない気がする」
トホホ、としょんぼりしながらゆっくり歩いていると、いつも閑散としている川の辺りの路地に入る。
何気なしに角を曲がったら、見慣れない黒服の男の人たちの姿にビックリして足を止めた。
な、何?
黒服の男の人たちは沢山いて、何かを取り囲んでいるみたい。
関わっちゃダメだって瞬時に思って、とりあえず曲がる前の角に戻ろうとしたんだけれど……。
「西園寺先輩は俺たちが守ってるんだ。あんたらになんか連れ去られてたまるかよ!」
それは黒服に囲まれている中心から聞こえた。
聞き覚えのある声に、私は足を止めて声の発せられた方を見る。
田中、くん?
黒服の中心にはいつも見ている田中くんの姿。
他にももう一人近くの高校の制服を着た男の人と、西園寺先輩の姿が見えた。
え? 何? どういう状況?
分からなくて、でも田中くんがいる以上見て見ぬふりも出来なくて、そのまま立ち尽くしてしまう。



