その通りだ。
確かに田中くんは西園寺先輩が好きだとは言っていない。
「でも、仲良さそうで……お似合いだし……」
それでもさっき並んだ二人を見て落ち込んでしまった気持ちは中々上がって来なくて弱気になっちゃう。
涙は何とか止まったけれど、自然と下を向いてしまう。
そんな私の頭に奈美ちゃんは重めにポンッと手を置いた。
「自信無くす気持ちはわかるよ? あの西園寺先輩だもんね。でも落ち込むのは田中くんの気持ちをちゃんと知ってからにしないと」
「奈美ちゃん……」
寄り添って励ましてくれる奈美ちゃんのおかげで少し顔を上げられる。
「ほら、いつも世話してあげてるお花だって元気出してって言ってるよ。きっと」
そうして教室の後ろの棚の上に乗っている鉢植えに目を向ける奈美ちゃん。
私もその視線の先に目を向けて、ペチュニアの花を見る。
白いキレイな花が、開けられた窓から吹いた風で少し揺れた。
その様子が、本当に元気を出してって言ってくれているようで……やっとちゃんと心を落ち着けられる。
「……うん、そうだね。ありがとう、奈美ちゃん。元気出てきた」
「良かった。……じゃあ、更に元気注入したげる!」
「え? ひゃあっ!」
元気が戻って来た私を奈美ちゃんはちょっとふざける感じにぎゅうっと抱き締める。
「ぎゅーっ! ホラ、元気出るでしょ?」
「う、うん。ふふっ……元気出たから、もういいよ。ちょっと苦しいから」
「いーや、まだまだ!」
「え―⁉」
そんな風にじゃれ合ったおかげで、私は泣いていたのが嘘のように笑えるようになってた。
本当、奈美ちゃんのおかげだよ。
ありがとう。
確かに田中くんは西園寺先輩が好きだとは言っていない。
「でも、仲良さそうで……お似合いだし……」
それでもさっき並んだ二人を見て落ち込んでしまった気持ちは中々上がって来なくて弱気になっちゃう。
涙は何とか止まったけれど、自然と下を向いてしまう。
そんな私の頭に奈美ちゃんは重めにポンッと手を置いた。
「自信無くす気持ちはわかるよ? あの西園寺先輩だもんね。でも落ち込むのは田中くんの気持ちをちゃんと知ってからにしないと」
「奈美ちゃん……」
寄り添って励ましてくれる奈美ちゃんのおかげで少し顔を上げられる。
「ほら、いつも世話してあげてるお花だって元気出してって言ってるよ。きっと」
そうして教室の後ろの棚の上に乗っている鉢植えに目を向ける奈美ちゃん。
私もその視線の先に目を向けて、ペチュニアの花を見る。
白いキレイな花が、開けられた窓から吹いた風で少し揺れた。
その様子が、本当に元気を出してって言ってくれているようで……やっとちゃんと心を落ち着けられる。
「……うん、そうだね。ありがとう、奈美ちゃん。元気出てきた」
「良かった。……じゃあ、更に元気注入したげる!」
「え? ひゃあっ!」
元気が戻って来た私を奈美ちゃんはちょっとふざける感じにぎゅうっと抱き締める。
「ぎゅーっ! ホラ、元気出るでしょ?」
「う、うん。ふふっ……元気出たから、もういいよ。ちょっと苦しいから」
「いーや、まだまだ!」
「え―⁉」
そんな風にじゃれ合ったおかげで、私は泣いていたのが嘘のように笑えるようになってた。
本当、奈美ちゃんのおかげだよ。
ありがとう。



