そして、さっきの出来事。

 痛いなぁと思ってたけど、そのうち引くだろうと思って気にしてなかったわき腹。

 それなのに痛みはどんどん強くなって……でもみんなには隠しておきたかったから我慢してた。

 ちゃんとみんなには隠しきれていたのに、どうして浜田さんには気付かれたんだろうな?


「でも……」


 でも、気付いて追いかけて来てくれたのが浜田さんで、嬉しかったんだ。

 力のこともみんなの前で聞いてくるようなことはしない、そんな浜田さんだから安心したんだ。

 その後も肩を貸してくれたり、痛みが和らぐようにって花を渡してくれたり。

 ただのおまじないなんだろうけれど、本当に傷みが引いた気がするのはやっぱり浜田さんの笑顔のおかげなのかな?


「っとに、かわいい……」


 ガラッ

 思わずまた呟くと、タイミングよく保健室のドアが開いた。


「っ⁉」


 聞かれてはいないって分かってるけど、ビックリして心臓がバクバクしてしまう。


「ケガしてるのってあなた? どうしたの?」


 声を掛けながら中に入って来た白衣を羽織った保健室の先生。

 きっと浜田さんから聞いてすぐに来てくれたんだな。


「あ、はい。ちょっとぶつけてしまって……」


 見てもらうためにまたシャツをたくし上げると、先生は不可解そうに眉を寄せた。