「(沈黙が怖すぎ……!)」


至近距離で睨み合いをしている私たち。もちろん、クラスの中で超目立っている。


「み、皆が見てるよ……?」

「関係ねーよ、そんな事」


クラスの目を気にする私と、そんな物は眼中にない声宮くん。

全く埒が明かない平行線に終止符を打ったのは――声宮くん本人だった。


声宮くんは、いきなり頭を少し後ろに引いたかと思えば……。次の瞬間、私に向かってゴツンと頭突きをしてきた。

これが、地味に、痛い。


「いッ……!!」

「頭の悪いお花畑には、これくらいがちょうどいいだろ」

「な!いきなり何を……!」

「知るか」


フン、と鼻を鳴らして教室から出ていく声宮くん。私は、カバンを食らった後頭部と、頭突きを食らった前頭部を同時に擦りながら……


「か、勝手すぎ……!」