「気にすんな。何でもねぇよ」


そう、何でもない。

だって芽衣は、俺にとって、ただのクラスメイトだ。

あの日、故障したエレベーターの中で。

この学園に来た理由は「運命の人を見つけるため」だと言った芽衣。そんなガキみたいな理由で?本気か?なんて思ったら、つい笑ってしまった。


だけど、そんな芽衣とデートに行くことになって……。

ん?何でそんな事になったんだっけ?


あぁ、歌沢との勝負があったんだ。歌沢の挑発にまんまと乗った俺が、無理やり芽衣を遊園地に連れて行った。行けたアトラクションは、お化け屋敷のみだったけどな。


お化け屋敷を怖がって、手を繋いでほしいと言ってきた芽衣。俺の事を苦手だと思ってるくせに、ありえねぇ力で俺の手を握ってきた。