「ちゃ、ちゃんとドキドキしました」

「じゃあ許す!特別に優しく教えてあげるね」


私にウインクを飛ばしてくる、気さくな不動先輩。緊張せずに話す事が出来るのが嬉しいな。

場が和んだ、その時――

すごい勢いで赤い糸がヒュンと飛んできて、不動先輩の小指に巻きついた。

しゅるっと。


「!?」

「ん?どうしたの?芽衣ちゃん」

「ななな、なんでも、ありません!」


赤い糸が優柔不断なのは分かってるから、不動先輩の指巻き付こうが、いまさら驚きはしないけど……。

急に現れるとビックリするから、やめてほしい……!


「じゃあ始めようか」