結婚前夜、リナは実家に泊まった。

何となくしんみりしてしまいそうだったから、

「私たち、みんな次のステージに進むんだから、ポジティブにいきたいよね」

リナは元気よく言った。

「次のステージって、リナはともかく、私たちは?」

「んー…おじいちゃんおばあちゃんになることとか…」

「えっ!?リナ、もしかして…」

陽子が尋ねると、リナは少し赤面して、

「いやいや、子供はまだだけどね!将来はそうなるかもしれないし。あと、また夫婦二人の暮らしに戻るわけだから、何かと変わってくるんじゃない?」

「そうだな。リナが不安にならないよう、俺たちがちゃんといい見本にならないと。なぁ、陽子」

「ええ。常にいいことばかりじゃなくても、必ず幸せになれるわ…。園田くん、いい人だし、心からリナを想ってるのが、見ていてもよくわかるから」