休みを合わせ、リナと園田は結婚式場をいくつか見て回ることに。

リナは、何度もお色直しするような、仰々しい披露宴には興味がなく、カジュアルなものがいいと思っていた。

しかし、園田が教師であることを考えると、派手婚でなくとも、ごく一般的な式と披露宴はしないといけない気もしている。

基本的に、世間体を気にせず生きるリナと、公務員という立場の園田は対極だが、今の二人は、その辺もうまく折り合えるほどの大人になっていた。

最初の式場を見学していた際、

「はぁ!?ふざけんなよ!花婿が逃げただって!?ロンバケじゃあるまいし!あいつ、マジぶっ殺してやる!」

リナたちが驚いて声の主を見遣ると、自分たちの両親と同世代か、もっと年上ぐらいの花嫁が、酒焼けと思われるガラガラの声で喚き散らしていた。

「サヤカ…少し落ち着いて頂戴!」

花嫁の母と思しき老婆が泣きながら言い、