合宿が終わっても、学校生活は当たり前だが続く。

私は合宿が終わって初めての登校は、一目散に花壇に向かった。

いつも通り花壇が私を迎えてくれる。

「音葉、おはよう」

「おはよう、奏斗くん!」

いつも通りの奏斗くんに、私は日常に戻った気がして嬉しかった。

「ねぇ音葉、今度花の苗一緒に買いに行かない?」

奏斗くんがこちらを不安そうに見つめている。

「もちろんいいよ!」

「じゃあ、今度の土曜日はどう?」

「えっと、今週は用事があって、来週の土曜日でもいい?」

今週は穂高くんとあのしだれ桜に行く予定だった。

「もちろん、楽しみにしてるね」

「うん!」

私はその日嬉しくて1日が早く感じた。