「穂高くん。合宿が終わったら、私に魔法をくれた桜の木に一緒に行こうね」

「約束だからね」

「そういえば、私、穂高くんのお願い聞く約束だよね。穂高くんのお願いって何?」

「うーん、まだ考え中」

「なんか怖いんだけど・・・」

「期待しててね」

私は嫌な予感しかしなかった。

「でも、合宿に連れてきてくれてありがとう」

「え?」

私は穂高くんの前まで歩いて、穂高くんと向き合った。

「楽しかったってこと!」

私は思いっきり笑ってやった。

「綺麗だな・・」

「何か言った?」

「ううん、俺は一生音葉ちゃんに勝てないってこと」

穂高くんはそう言って、部員たちの方へ戻って行った。