恋の魔法は間違えないで下さい！

部活が終わった後も、穂高くんは教えてくれた通り一人で居残り練習をしていた。

穂高くんが投げたボールが綺麗にバスケットゴールに吸い込まれていくようだった。

「綺麗」

私は気づいたらそう呟いていた。

「ねぇ穂高くん、バスケって難しい？」

「難しいよ。音葉ちゃんもちょっとボール触ってみる？」

「うん！」

私は穂高くんからボールを取ろうとした。

けど、うまくかわされて取れない。

「音葉ちゃん、下手だなー。俺からボール奪ってみてよ」

「絶対取ってやるもん！」

私は穂高くんからボールを奪うために思いっきり走り回った。

穂高くんは全然動かないのに、ボールを取ることができない。

「なんで！？」

「経験の差かな？」

穂高くんが意地悪な顔で笑っている。

悔しいから絶対とってやりたい！

なんとか隙を作らないと！

私はボールに突進するふりをして、穂高くんの顔の目の前まで顔を近づけた。

穂高くんがびっくりして固まる。

「隙あり！」

私はボールを取ること出来た。

「えへへ、私の勝ち！」

私は穂高くんにボールを見せつけてやった。