「......っ!」





ちょうど、心臓のあたりを狙って撃ってたのか、私の頬のあたりを突き抜けていく、銃弾。

頬のあたりから血が飛び散った。


銃弾が触れたところが、じんじんして痛い。


その男の人がまた狙われて、その男の人に覆いかぶさった。



———ダンッ



また引き金がひかれる音がして、背中に痛みが走る。

男の人は気絶しちゃったみたいで、呼びかけても起きなかった。


あ......。

体を動かすと、思ったよりも痛みが来た。


ズキ......っ、ズキ......。


そう、背中と頬が痛んで。視界がかすむ。


ざくざく、と草を踏みしめる音が聞こえた。

や、ばいっ......。逃げ、なきゃっ......。


そう思うのに、体が動かない。

ど、してっ......。





「ふうん、キミがさっき、そいつのことかばったの?」


「......っ」



「強気だね、でもそういうの嫌いじゃないよ」


「や、めてくださ......っ」





頬のあたりを触られる。


気持ち悪いけど、痛みで体が動かなかった。





「......っ離して、」


「やーだ。ほっておけないし、何より———可愛がってあげるからさ。ね?」