「おい!!
あいつ、可愛すぎやしないか!?」

「いや、晴翔の妹だからか……?」

「っていうか、隣にあいつ、いないか?」

「……黒瀬拓也……!!!?」
アリアからの閉じ込めが会った日から、1週間経った頃。

私は何故か、『姫』になっていました。

あっれ〜?
今ごろ、普通の高校生生活を送っていたはずなんだけどな〜?

そう。お兄ちゃんと拓也に言われたことが本当になってしまったのだ。
まぁ、1年3組の姫がいなかったため、代役に、日向晴翔の妹の日向十夏をきせようと思いついた。
黒瀬拓也と私のお兄ちゃん、日向晴翔。

まぁ、また、お兄ちゃんの駄々こねで……ではない。

私がいたかったのだ。
この学園に。このクラスに。

すごく心地が良かった。

普通に接して──「十夏さん!俺と、弁当を──「ダメだよ。馬鹿か」

──くれてはいません。

私がお兄ちゃんの代わりをやっていた時よりも、
めちゃくちゃ、照れてるし!うちのクラスの男子!

私が『姫』になります!と先生から発言された時、お兄ちゃんと拓也は、
『賛成』だったけど、それ以外の男子は、目を見開いて、私をずーっと見ていた。

「……というか、拓也!阻むな!私のすごく楽しい高校生生活を!
初めての高校生の年を楽しくしないつもりか!」

「……ん?
俺は『騎士』のためにやってるだけだよ?」

「……っ」

そう。
やはり、私の『騎士』は、黒瀬拓也に決まったのだ。

まぁ、黒瀬拓也と日向晴翔のゴリ押しでも会ったけど。


「……お兄ちゃんもなんか言ってやって!!」

「うわっ。十夏、お兄ちゃんに助け求めた〜」

「……良いじゃん!」

「……子供みたいだな。俺の妹は」
「……っお兄ちゃん!」

私と拓也の目の前に現れた、私のお兄ちゃん。
お兄ちゃんも、ひと段落着いたみたいで、学園に入ってきた。

私も嬉しいけど────あっ。そうだ。
思い出した。

「……っていうかさ!お兄ちゃん!1ヶ月じゃなくて、2ヶ月いたんだよ!!?
そこは、私に褒めてくれてもいいんじゃない?」

「はぁ……」

お兄ちゃん、全然乗り気じゃないし。

私に褒めて欲しいわ!
あんな男性がいたところで、よく、私もバレなかったって思ってるよ!?

どうか、この辛さを分かって!!!

「まぁ。よく頑張ったな。十夏。
ありがとう。俺の分まで」

「……っ!!うん!」

私の頭に、お兄ちゃんの手が乗せられる────と思ったら。
お兄ちゃんの手を掴んだ人がいた。

その人は────

「ねえ。イチャイチャしないで。
俺の『姫』なんだから。」

────私の『騎士』さま。

「……っ!拓也!」
私は上を向く。

「十夏。本当さ、示さないとだね。」

「……な、何を?」
少しだけ、悪寒がする私。

と思ったら、私の悪寒が当たった。

拓也は、私の瞳を片手で隠し、お兄ちゃんに見せびらかすように。

私の首の(シルシ)を見せて来た。


────そして、お兄ちゃんが、ムキーっと凄く怒るのはもうすぐ。


FIN.