……なのに!!何で?!
こんなところで、バレるかなぁーーー!!?私!!!

そう。私は、「すいません……。トイレ行ってもよろしいですか?」と先生に言った。
先生はOKと言ってくれて、トイレに行った。

本当に漏れそう……!軽い方が!


……で。
出た。は、出たんですけど。

入学初日にして、やってしまった。
私の大切なアレを失くしたのだ。

……どこ?!

どこに……あるの!!!?


「探し物はこれかい?おジョーさん……いや、姫さまか」

!!!!?

何で、私が……女の子だって分かったんだろう!!?
でも、ここは、平常心。平常心。

これで、退学になったら、お兄ちゃんの期待の株に影響するだろうし。

さっきも先生から言われた。
「君、老舗旅館のひなたぼっこの跡継ぎだよね?先生も応援してるよ!」って。

「ありがとうございます」で返したけど。

やばい。これはやばい。
でも、平常心。

うん。平常心。
そう。ここで、今に至ると言うのだ。


「これ、何?」

なぜか、私の───じゃなくて、僕が不味いと思っているものを持っているクラスメイト。

な、何で……!?
えーっとでぇすねえ……。

ど、どこにありました!!?

「ここ」
クラスメイトは今、立っている床を指しております。



「あ、アハハハ……。何で、僕のって分かったの?」

平常心。平常心。
これは先に焦ったら終わりな感じがする。

「んー?……晴翔の胸が大きくなってたからーかな?」

チャラい。
僕の胸見てるし。

気持ち悪い。

でも──────バレたら、しょうがない!!


「あの、拓也!秘密にしててくれ!」

「えー……やだ」

最後、ニカって笑ったぞ!?
チャラい男!黒瀬拓也!!!?


「お願いだ!!黒瀬拓也!!」

そう。私は知っている。
黒瀬拓也について。少しだけだけれど。



「じゃあ、君の騎士さまにならせて?……日向十夏さま?」
急に、顔が近づいてきた。


綺麗な顔だな……とも思うけども、チャラいの言葉がぴったりだと思う。