「……私の弟だけど。
いつも、あんたたちは、中学校の時、会った時。
俺が十夏の王子様だ、なんて言い張って。」

「……そう、だな」

「……あんたは…十夏ちゃんが王子様なんだね」

「……っ。
そうだよ。拓也もそう。
十夏(あの子)にどれだけ救われたか」

「……まぁ…あの子、本物やばい迫力だわ」

「…そうだろ?
でも、俺は言い張れる。」

「……何を?」

「十夏のお兄ちゃんでもあり、
十夏を守れる一番の護衛騎士だからな!」

「で、王子様は私の弟と?」

「……そうだ!」

「晴翔……あんたに、良い女紹介するから」

「……いらん!そんなの!」
なんて話をしていたら。


「……終わったみたいだね」
遥がそう言った。

その時、遥の瞳と俺の瞳で見ていたのは。


俺の妹、十夏と、遥の弟でもあり、幼馴染でもある、黒瀬拓也が互いの額を合わせて、
保健室で笑っていたところだった。