【side晴翔】

「あのさ……あんた、ほんと、過保護すぎる」

隣で、俺に怒ってるのか、説教してるのかよく分からない人は。
俺と幼稚園から同じの黒瀬遥。
もちろん、黒瀬拓也の姉だから、意地悪っぽいところがあるし、顔は整いすぎている。

「……怒ってんの?説教してんの?」

場所は保健室からちょっと離れた廊下で。

今、俺たち以外の生徒たちは絶賛授業中。


「…どっちもだよ!!」

「……うわっ…どっちもぽい言い方」

「いや、そうって言ってんじゃん!」

「……そうだった。」
「……はぁ。本当、あんたは一つネジが抜けてる」

「……?そうか?」

「気づいてないんだ……。
まぁ、十夏ちゃんが大好きすぎるから、か」
「はぁ」とため息を吐きながら、腕を組み、壁に寄りかかる遥。

「……っ!!?やっと分かってくれたか!!遥よ!!」

「……前々から分かってたわ!
って、お前は、十夏ちゃんのお父さんか。」

「……お父さんだ!十夏は色々な才能を持ってる。
俺を笑わせてくれたり。同い年だけれど、ちょっと年下みたいなところがあったり」

「……けど、先に、騎士様が現れちゃったからねー」
「……」

お前()は、図星を差すが上手だな!
と思いながら、遥の話を聞く俺。