姫でもないし、騎士でもない。



本当のキスがされ、数分が経った頃。

「……あ、の、お兄ちゃんが言っていたお話って…?」
私は拓也にお兄ちゃんが去るときに言っていた、お話を聞いたのだ。

「…ん?それはね。
もう、十夏は、『騎士』やんなくて良いってこと」

「……えっ?」

「……その代わり…「いやいや!ちょっと待ってください!!
わ、私が…拓也兄ちゃんと会えなくなってしまうということじゃないですか!?」

「……あのさー…タメ口」

「…はっ!?ご、ごめん…」

「……聞いて。最後まで」

「はい……」

「……十夏のお兄様から出された提案なんだけど」

「……?」

拓也によると、私を1年3組の『姫』にしないかとお兄ちゃんと話しているらしい。

「…?けど、アリアがいるはずですけど…?」

「それは、俺らが対処するから。
とにかく、『姫』になって」

「ほら。また敬語」なんて、言われてるけど、
やっぱり、なんか、拓也には、敬語を使いたくなってしまう。

……もしかして、悪魔だから、契約されてしまうとか?

……いやいや!
それは考えないでおこう。

と思い、胸の中に閉まって、拓也に質問をした。

「……それは何故?」

「……秘密。
その方が十夏のためになるから」

「……そ、うですか」

なんか、拓也が秘密を持つなんて……って、前から、そうだわ!
秘密ありまくりな顔してるもん!

と思ったら、拓也がまるで、さっきのとは反対の優しい声を出して言った。
「……あの、さ」

「…!?はい!」
少しだけビクついている私。

「……本当だよな」

「…?何がです…じゃなくて、何が?」

「……俺の彼女になったの」

「……っ!
はい!そうです!」

私は心の底からの笑顔を拓也に見せる。
見せたら、拓也は目を見開いて。

「…幼馴染の約束。
お前、忘れてたよな?」

どっきーん!!

私に、すごく気まずいことを言ってきたのだった。

「……はい。
ごめんなさい。……だ、だって、拓也兄ちゃんが、カッコよすぎたから!」

「…っ前髪も垂らして、前みたいにしたんだけど?」

「……わ、分かんなかったよ」

「…あぁ…やば…抱きしめて良い?」

「……へっ?!」と思ったら、すぐに、私を抱きしめてきて。

「やっと、見つけた。
やっと、俺のもの。
マジで、中学生の頃、理性、崩壊しそうだったもん」

「…えぇっ!?」

「……やっと、俺の、もの」
と言いながら、ちゅっ。といやな音とともに、私の首に唇を付け、
私の首を吸うように……

「……ひゃっっん!?」

「……付いた。俺のものっていう(シルシ)。」

「……えっ?シルシ…?」

「……十夏には変な虫が寄らないように。
って、願いを込めて、付けたの」
と言いながら、私の首を触るのか、触らないのかという度合いで触れてきた。

「変な虫……?」
私はどういうことかさっぱり分からない。

だから、聞きたいのだ。
『変な虫』のことを。

だけど、私の彼氏が、騎士様が…

「……はぁ…こういうときは…」

「……拓…んっ!?」

……許しません。