「わ、私は…!黒瀬拓也さんが────「ストップ。直せ。拓也に」

「はぁあっ!?」

黒瀬拓也が大悪魔になって、数分が経った頃。

私は、髪の毛や、服の身なりを整え、黒瀬拓也様に告白をしようとしていました。
けども。大悪魔、黒瀬拓也様が。

「た、拓也さんが……」

「ダメ…俺は黒瀬さんでもなく、拓也さんでもなく。
さもなくば、拓也兄ちゃんじゃなくて。

“拓也”って呼んで。」

────許しません。


「……拓也が…好き…です」

「まだ、残ってる」

「……っ!」

「ほら、もーういっかい」

えーい!!
勇気を振り絞って!

私よ!!

「…拓也が好きっ!!!」

告白しろ!!

「……ふっ。
よく言えました」

……!?

私の両側の頬を拓也の手が触れ、だんだん近づく、私の顔と拓也の顔。
もう、それは。


「……んっ!?」

本当の気持ちが繋がったキス。


「……うむんっ…ひゃっ!?」

「あぁ〜……やべ…。
可愛すぎだろ」

「……っ!」

もう自分の心の中はよく分からない。
濃厚なキスもされ、拓也の声だけで胸がキュンと鳴って。

瞳は潤み、体は熱くなって。

「もう、どうにでも……なっ、て」

それを見た、私の騎士様(黒瀬拓也)は。

「……あぁっ!もうっ!!」
何かが、プツンと切れたような顔をしていた。